宮城県小学校・遠藤仁樹さんによる体育の模擬授業を行いました。授業前には、準備運動で使おうと考えている動画のURLを送り、非同期の部分でも意識を高めたり、関係を築いたりする工夫がありました。外出自粛や臨時休校によって、運動の機会が制限された子どもたち。ソーシャルディスタンスを求められ、これまで同様の教育活動が難しい中、体育も例外ではありません。今後の感染状況の推移によっては、再び休校となるかもしれません。オンラインを活用した、体育科の可能性を考えていく機会となりました。
授業の内容は「フォークダンス」でしたが、遠藤先生は常に学習者に前向きな声掛けをしてくれました。様々なレベルを提示したあと、まずは、基本となるものを身に付けていくことを共通理解しました。ステップを言語化して覚えたり、先生の師範をみたり、グループで教え合ったりと段階を踏んで「できる」を実感できるように配慮されていました。ブレイクアウトルームを使って、グループでの練習やポーズの創作を行ったのも、学習者の主体的な活動につながりました。学習者の要望から、グループごとの発表会まで発展し、それぞれが自分たちの出来を見せ合いたいという意欲をもって取り組んだことが伝わってきました。そして、発表会の後には、発展レベルのダンス動画を見て、更なる意欲へとつなげようとする仕掛けもありました。音のズレや動画のスムーズさなど、オンラインであることのよる不自由さも、逆に完璧を求められていないという発想につながり、体を動かすことを楽しもうという意識に変わった学習者もいたようです。「実際の現場では、実現できていないオンラインでの体育を経験できたを今後の指導に生かしていきたい。」と力強く語った遠藤先生の表情が印象的でした。
以下、参加者によるリフレクションを掲載します。
・不自由さ(タイムラグや画面の小ささ)があったことで、下手でもいい、失敗してもいいと思うことができ、のびのび踊れました。
・チームで創作ダンスをすることで、チームワークがぐんと高まりました。一つのことを作り上げるよさ、自由さが学習者を学びを促進された気がしました。
・ブレークアウトルームがとにかく楽しかった。先生と生徒、生徒同士など、誰でもフラットな感覚でいられる。頭で考えるのとは違って、脳の疲れが全然なくて爽快。
・他人と比較しない体育の授業は楽しい。/ 身体運動に音楽を使うのは良いアイデアだと思いました。
小学校教諭