現在新型コロナウイルスが流行し、対面での授業が思い通りにできない中、全国の学校でオンライン授業が始まっている。オンライン授業という新しいスタイルには、生徒も教師も大混乱しているのである。そこで、「オンライン授業をオンラインで学ぶ会」通称「オンオン会」が立ち上がった。私はこのオンオン会主催の模擬授業を楽しむ会に参加して、印象に残ったキーワードがたくさんある。今回は、その中から2つ紹介していく。
1つ目は「オンラインでのケア」という言葉だ。オンライン授業を受けるにあたって、全員に必要になるのがネットワーク環境である。しかし、これは各家庭によって状況は様々。授業を受けることができる生徒と、受けることができない生徒が生まれてしまう。いわゆるネット格差だ。これに対しては授業は、もちろんZoomなどの媒体を使うのは良いけれど、その他複数の媒体で生徒と関わっていかなければいけない、ということに共通認識を持てたと感じた。また、私自身オンライン授業を大学で受講していて思うことがある。今までの対面の授業より疲れるということだ。このオンライン授業を楽しむ会では、そういった生徒向けにZoomのブレイクアウトルームを利用した休憩室や保健室を作るのはどうだろうかという提案も出た。
次に印象に残った言葉は「生徒を肯定する大切さ」である。「対面での授業でもそれは大切なことなのでは?」「教師である以上当たり前のことだ」という意見もあるだろう。もちろんその通りだ。しかし、前述したように今は生徒も教師も混乱状態なのである。私含め、生徒はオンライン授業へ極度の緊張状態にいるのではないかと思う。普段の授業でも「先生にあてられて間違えたらどうしよう」と緊張を感じるのに、オンラインだと何故かその緊張が2倍3倍と自分にのしかかってくる。だからこそ、「教室は間違える場所」という安心感を生徒に与えることが重要である。そのためには、発表してくれた生徒をいちいち肯定したり、発表する前にミュート機能を使って各自発表の練習をさせるといったことが重要になるだろう。これは、私が模擬授業を楽しむ会に参加した際の担当の先生が実践していたことであり、同時に自然に次々と生徒に安心感を与えていた先生に憧れの気持ちを抱いた。
私は実際、模擬授業を楽しむ会にまだ数回しか参加していない。オンオン会に関わらせていただき始めたのも、ごく最近のことである。しかし、そんな短期間でも色々な気付きがあるオンライン授業はやはりまだまだ伸びしろがあるのではないだろうか。また、とてつもなく大変なオンライン授業を実践している全国の先生方には尊敬と憧れそして、感謝を伝えたい。これからも、学生だからこその目線での気づきを発信していきたい。
東北福祉大学 教育学科 1年 A・S