5月14日に第2回模擬授業を楽しむ会が行われました。授業者は曽根義人教諭(宮城県小学校教諭)でした。小学6年の社会「世界に歩み出す日本」の単元での模擬授業でした。
授業者が授業作りで大事にした視点は以下の4点
・通常の授業と同じにできないことは何か
・オンラインの強みは何か
・自分のゆずれない部分は
・反応を受け取りづらい中でどのように指示をしていくのか
それぞれの視点を授業内でどのように具現化していくかを考えることで、双方向型の学習の構造が明確になっていっていきました。
授業の流れは以下の通り
導入:「仲間外れ探し」~参加しやすいものから、本時につながる問いへ~
展開:①「富国強兵」という言葉を振り返る。
②風刺画と貿易グラフの提示(1890年~1910年の貿易額の変化に着目)
③20年間の間に何があったのかをブレイクアウトルームで調べる。→共同探求
④調べてきたことの共有をして、個人で調べたいものの選択。→個人探究へつなぐ
授業後には参加者が4人組に分かれて対話的リフレクションをしました。授業を見る視点が、授業者か、学習者か。それぞれの参加者によって異なり、互いの気付きを交流して学びを深めていきました。(以下、一部を掲載、→は授業者コメント)
・オンラインの強みは何と言っても教室では挙手による一人発言の場合が多いが、チャットという記述で同時多発的に残ることが魅力的です。
→画面にコメントを入れたり、チャットを活用することで、教室でも広がっていた「つぶやき」と同様に児童生徒の声を取り上げることができる。また、コメントに関しては、書いた人が明らかになることがなく、間違えを恐れることなく参加できる気軽さも強みとなる。
・曽根先生のように自分らしさを出していくことが、同じ教材でもまったく違った魅力を帯びてくるのだと気づきました。
→教師自身が大切にしてきたことをオンラインでも大切にする。オンラインであっても着飾った自分ではなく、いつもの授業を意識することは、学習者への安心感につながる。
・イラストはこころを動かす。ここから火がついた。
→黒板に貼ることや配布する形で提示する以上に、画面の共有は資料に注目させやすくなる。教室以上に視覚情報が重要になるので、何を提示するのかを検討する必要がある。
・zoomのオンライン授業と教室の授業をハイブリットにした内容で非常に魅力を感じました。
→今回の模擬授業では、探究活動でスマホの活用を認めた。実際の授業以上に、web環境が整っていることの強みを生かさない手はない。教室+オンラインの強みを考えること、オンラインの弱みに工夫を施すことが大切である。
・ブレイクアウトルームのような状況になってしまうと教師は一斉には見取れなくなってしまう。
→教室では、見取ることができるグループ学習もオンラインでは難しくなってしまう。ブレイクアウト前により細やかな指示をしておくか、それとも、学習者のみでグループ学習が機能するような日頃の積み重ねを意識する必要がある。
本会では、オンライン授業教材開発をすることを通して、今後学校で展開される実際の授業にも生かすことができるように、また、オンラインの強みを生かしながら、弱みを工夫で強みに変えられるように模擬授業実践を継続していきます。
小学校教諭